緩和ケアチーム

緩和ケアチームは終末期に直面するさまざまな課題に対応できるよう、医療、看護、リハビリ、
栄養など多職種メンバーで活動しています。

近代ホスピスの母と呼ばれるイギリスの女性医師シシリー・ソンダースは、末期がんなど終末期の
患者さんが経験する苦痛のことを「全人的苦痛(トータルペイン)」と呼びました。
それは、肉体の苦痛だけでなくその患者さんの人格そのものを苦しめる複雑な痛みなのだという
考え方です。理解しやすく四つの苦痛に分類されたのが下の図です。

全人的苦痛 (2)

当然、それぞれの苦痛の程度は人によって全く異なります。ゆえに、ワンパターンなマニュアルでは対応で
きません。患者さん一人ひとりの苦痛の原因を理解して寄り添えるよう、当院では緩和ケアチームの認定看
護師が中心となり「緩和ケアエキスパートナース」を養成するなど専門的な知識や技術の共有に取り組んで
います。

定期的な事例検討会の実施も重要な取り組みのひとつです。

9月には、複数の進行性難病を抱えて家族とも疎遠に生きてきた高齢の患者さんの事例を検討しました。
半年前に病名を告知されたその患者さんは「もういい」「もう無駄」「どうせ治らない」「どうせ死ぬ」と
しょっちゅう悲観的な言葉を口にし、治療にもリハビリにも背を向けがちな日が続いています。
チームでは、それぞれの専門的な立場からこの方の“苦痛”の在り処について意見を交わし、今後のケアの
方向性について検討しました。

  ●スタッフが「してあげたい」支援は、相手も「してほしい」支援だろうか?
  ●「もういい」「どうせ」という気持ちに「まだ」「どうせなら」という望みを足せる日が来るまで、
   ただ患者さんに寄り添って、適度な”間”をとりながら、辛抱強く遠回りして近づこう

これが、この日の事例でチームが見出した“気づき”でした。

本当の意味で最善策を見出すことは難しいのが終末期における現実ですが、
一人ひとりの患者さんに向き合って改善策を探る努力を続けるのが私たちのミッションです。

 

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